RPAの導入率(普及率)についての調査結果
この記事では、「RPAの普及率は、どのくらいなのか」という事を、各社の調査結果をもとにご紹介します。
日本企業においても、RPAの導入は着実に進んでいます。しかし、「RPAの導入は進んでいない」と誤解されている方もいらっしゃいます。後半では、そのようなRPAの普及率についての誤解が生まれる理由についても解説を行います。
RPAの普及率はどのくらいなのか
最初に、RPAの普及率の水準について。
調査会社によって調査時期や調査対象に差はありますが、大手企業を対象とした調査では「RPA導入率は5割を超えている」という結果が出ています。対象を大手企業に絞らない調査でも「RPA普及率は3割を超えている」という結果が出ています。
未だRPAを導入できていない企業も多く存在しますが、日本企業においても、RPAの普及が進んできている事は間違いありません。
RPA普及率についての調査結果(各社)
次に、調査会社別に、RPA普及率についての調査結果をご紹介します。
MM総研によるRPA普及率についての調査結果
株式会社MM総研によると、2019年調査時点でのRPAの普及率は38%です。また、大手企業に限ったRPAの普及率は51%です。
このデータは、株式会社MM総研が2020年1月27日に発表したプレスリリース「RPA国内利用動向調査2020」の中に記載があります。このプレスリリースの中で、株式会社MM総研は、「企業のRPA導入率は38%、大手企業に限定すると51%に達した」と調査結果を公表しています。
ガートナージャパンによるRPA普及率についての調査結果
ガートナージャパン株式会社によると、2019年調査時点でのRPAの普及率は47.5%です。
このデータは、ガートナージャパン株式会社が2020年2月21日に発表したニュースリリース「ガートナー、企業におけるRPAの推進状況に関する調査結果を発表」の中に記載があります。このニュースリリースの中で、ガートナージャパン株式会社は、「RPAを導入する日本企業の割合は年々増加し、2019年8月調査時には47.5%に達しました。」と調査結果を公表しています。
ノークリサーチによるRPA普及率についての調査結果
株式会社ノークリサーチが発表している調査結果には、2018年と2019年時点での中小企業の規模別のRPA普及率についての記載があります。
詳しい数字については紹介を省きますが、調査対象となっている中小企業のどの規模においても、RPAの導入割合は2割を大きく上回っている事が確認できます。
RPAの普及率についての誤解が生まれる理由
このように、日本企業においても、RPAの普及は着実に進んでいます。
しかし、「RPAの導入は進んでいない」と誤解されている方も多くいらっしゃいます。
そのような誤解が生まれる原因としては、まず、「RPAの導入は、把握されづらい」という理由が挙げられます。
RPAの導入による業務の自動化は、取引先を巻き込んだ導入が行われる事も珍しくない大規模システムの導入などと比べ、目立ちません。
むしろ、「知らない間に自動化が行われていた」という状態こそ、RPA導入の成功例であるとも言えます。この為、RPAの導入が行われていたとしても、社外からは勿論、社内の他部署からですら把握がされづらいのです。
その他、「自社のRPA導入について、社外には知られたくない」と考えている経営者や従業員が少なくない事も原因として挙げられます。「自社の業務の効率化が進んだ事が相手に知られると、負担増などの要求をされるのではないか」と懸念されているケースが少なくないのです。
また、RPA導入によって競争力が向上する事が解っている経営者の中には、「競争優位を維持する為、RPAを導入するのは自社だけにとどめておきたい」と考えている方もいらっしゃるようです。
このように、様々な理由からRPAの普及度合いを実感するのが難しい面はありますが、現実に、RPAを導入する企業は増えていますし、検討中・導入作業中の企業も多く存在します。
RPAの導入に取り組まれていない方は、これを機会に取り組まれる事をお勧めします。