RPAの導入が進まない理由
この記事では、「RPAの導入が進まない会社が抱えている事情(理由)」について解説します。RPAの導入が進まない状況を解決したいと考えている担当者の方に参考にして頂きたい内容となっております。
RPAの導入は進んでいないのか
日本においても、RPAの導入は進んでいます。
RPAの導入が順調な企業では、「これまで自動化できなかった業務の自動化を行う」という事が着実に進んでいます。
その一方、様々な理由から、RPAの導入が進んでいない企業がある事も確かです。
RPAの導入は、ほとんどの会社にとって大きな効果があります。それにも関わらず、RPAの導入が進んでいない場合、その会社には事情(理由)がある事がほとんどです。
RPAの導入が進まない理由については、この後、解説します。
RPAが進まない7つの理由
RPAが進まない場合、次のような理由がその会社(職場)にあると考えられます。
経営陣が導入する必要性を感じていない
1点目は、「経営陣がRPAを導入する必要性を感じていない」という理由です。「メリットを理解しているが、RPAの導入に踏み切れない」というケースも、この理由に含まれます。
RPAは、「人が行っている業務を自動化する」という目的の為に導入される事が多いと言えます。この為、「人手が足りない」などの事情がない限り、RPAを導入しなくても、これまで通りの運営は可能です。
ですから、経営陣としては、「RPAをどうしても導入しないといけない」という考え方にはなりづらいのです。ただし、RPAには様々なメリットがあり、RPAの導入が遅れると、自社の経営にとっては大きなマイナスとなりかねません。
この理由でRPAの導入が進んでいない場合には、経営陣に「自社もRPAを導入しなければ、大変な事になる」と理解して頂く事が大事です。
※RPAを導入する事によるメリットについては、別途、記事を用意しております。
経営陣に苦手意識がある
2点目は、「経営陣に苦手意識がある」という理由です。
RPAの導入にあたって、経営陣がRPAの詳細を理解している必要はありません。専門家と現場に任せれば、RPAの導入は問題なく進みます(勿論、経営陣が深く理解していた方が、より高い効果が期待出来るケースは多くあります)。
しかし、ITに苦手意識のある経営陣の中には、「とにかく、自分が良く解らないものは導入したくない(検討もしたくない)」という方がいらっしゃいます。
そのような理由でRPAの導入が進まない場合には、「経営陣がRPAの細かい所までを理解していなくても、問題がない事」などを経営陣に理解して頂く事で、障害を取り除く事が出来ます。
なお、このような会社でRPAを導入する場合には、本来はRPAで実現する事が可能な内容であっても、「経営陣が理解しやすい内容以外は、導入しないようにする」といった対応が必要となる事もあります。
自社に導入すべき業務がないと判断してしまっている
3点目は、「自社に導入すべき業務がないと判断してしまっている」という理由です。
RPAについて、「RPAの導入によって自動化できる業務の範囲は狭い」という誤解をしている方は多く、そのような理解から、「自社には、RPAと相性の良い業務はない(少ない)」と考え、RPA導入の検討を止めてしまっている会社があります。
確かに、導入経験が乏しい人材が導入を担当する場合、かなり典型的な業務でないと、RPAの導入は失敗しがちです。
このような理由でRPAの導入が進んでいない場合には、適切な分析が出来る専門家を入れて、再度、「自社にRPAを導入すべき業務はないか」という検討を行う事で、RPA導入を進めていく事が可能となります。
従業員側に反対意見がある
4点目は、「従業員側に反対意見がある」という理由です。
実は、従業員側がRPAの導入に反対するケースは珍しくありません。
「RPAを導入して業務が効率化されてしまうと、仕事が減って、自分達は解雇されてしまうのではないか」といった懸念を従業員側が持っている事がある為です。
また、「現在、自分達が行っている難易度の低い業務をRPAに取られてしまうと、もっと難しい業務を自分達が行わないといけなくなるのではないか」といった心配をしている従業員がいる事もあります。
このような懸念・心配は、あながち間違いとも言えません。そして、このような場合、仮に、RPA導入を強引に進めても、必要な協力を従業員側から得られない事もあります。
このような理由でRPAの導入が進まない場合には、「RPA導入は、従業員側にはデメリットよりもメリットの方が大きい」という事を説明し、従業員に納得して貰う必要があります。
なお、RPA導入を本当の意味で成功させる為には、「RPA導入によって浮いた従業員の時間をいかに活用するのか」という点についての検討も重要になります。
導入に必要となる費用が解らない(値段が高いと怖れている)
5点目は、「導入に必要となる費用が解らない」、または、「値段が高いと怖れている」という理由です。
確かに導入コストが解らないのに検討を具体的に進めるのは難しいものです。そして、RPAは導入の仕方などにより、導入に必要となる費用に幅があります。
この理由でRPAの導入が進んでいない場合には、自社だけで悩んでいても問題は解決しません。とにかく、「安心して相談できる相談窓口に、まず、相談してみる」という対策をお勧めします。
特定の商品を勧める業者への相談が不安であれば、中立の相談窓口に相談すれば良いでしょう。
なお、相談を受けている立場から申し上げますと、多くの場合において、会社側の懸念は杞憂です。ただし、費用(価格)を抑える為には、導入する会社側が理解しておくべき点もありますので、そのような点とセットで説明をしてくれる所への相談をお勧めします。
導入の仕方が解らない(相談相手がいない)
6点目の理由は、「導入の仕方が解らない」、または、「相談相手がいないから、導入が進まない」というものです。
RPAは多くのベンダー(導入業者)が取り扱っていますので、相談相手には事欠かないはずです。しかし、様々な理由から、信頼できる相談相手が見つからない会社は多いようです。
このような理由で導入が進んでいない場合には、「自社にあった相談相手を見つける事」が解決の糸口になります。
過去に導入して失敗した苦い経験がある
最後の7番目の理由は、「過去に導入して失敗した苦い経験がある」というものです。
この場合は、まず、「過去の導入がなぜ失敗したのか」という理由を分析する所から始めるべきです。
分析の結果としては、「RPAを簡単に考えすぎており、十分な実力がないのに、自社だけでRPAの導入を進めてしまった」や「自社に合わないようなRPAの導入をベンダーから提案され、それに沿って導入を進めてしまった」といった結果が出る事が多いと言えます。
失敗した理由が明確になれば、その理由に対応した対策をした上で、再度、RPAの導入に取り組めば、今度は成功できる可能性が十分にあります。
導入に再び取り組むのは大変だと思いますが、RPA導入のメリットを再確認して頂き、過去の失敗を繰り返さないような体制で導入に取り組む事をお勧めします。
RPAが進まない理由を踏まえた対策
RPA導入が進まない理由については、ここまで説明した通りです。必要となる対策についても、それぞれの項で触れてきました。
自社が該当する「RPAが進まない理由」を確認して頂き、その理由に対応した対策を実行して頂ければ、RPAが進まないという状況を変える事は出来るはずです。
しかし、様々な理由から、そのような作業への取り組みがうまくいかない会社もある事でしょう。その場合には、「RPAが進まない理由の分析」や「状況を改善する為の対策の検討」を、「RPAに詳しい会社に依頼してしまう」という動き方も検討すべきです。
なお、そのような動き方をする場合には、「適切な相談相手を見つける」という事が、最初に取り組むべき作業となります。
状況を変える為の動き方は会社によって異なるでしょうが、この記事の内容を参考にして頂き、RPAが進まない状況の解消に取り組まれる事をお勧めします。