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RPAとは

この記事では、RPAの基本を解説します。

具体的には、「RPAとは(定義)」「RPAの正式名称・読み方・日本語訳」「RPAの歴史と普及状況」「従来のパソコンの自動化技術と何が違うのか」「ファクトリーオートメーションとRPAの関係」「RDAとRPAの関係」「RPAが注目される理由(企業がRPAに取り組まないといけない理由)」などの点について解説します。

RPAとは(定義)

RPAを一言で定義すると、「パソコンを使って行う業務を自動化する為の技術」という事になります。

RPAでは、人の代わりに「ソフトウェアロボット」と呼ばれるプログラムがパソコンを操作する事によって、パソコン操作の自動化を実現します。

主にビジネスの現場で、「人(従業員)がパソコンを操作して行う業務を自動化する」という目的の為に導入される技術の事を指して使われます。

なお、ソフトウェアロボットはパソコン購入時に内蔵されているものではありません。様々な企業から専用のソフトウェアが発売されていますので、自社に適したソフトウェアを選定し、購入する必要があります。

また、業務の自動化を実現させる為には、様々な準備も必要となります。この為、RPAに関するコンサルティングサービスも多く存在しています。

※ソフトウェアロボットの事を「ボット」と呼ぶ事もあります。

RPAの正式名称・読み方・日本語訳

RPAの正式名称は「Robotic Process Automation」です(RPAは「Robotic Process Automation」の略)。

RPAを日本語訳すると、「ソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化」といった訳語になります。

しかし、「RPA」という用語が普及してしまった為、広く普及している日本語訳は存在しません。日本においても「あーる・ぴー・えー」という読み方(発音)が一般的です。

なお、「Robotic Process Automation」を片仮名で記載する場合には、「ロボティック・プロセス・オートメーション」と書きます。

RPAの歴史と普及状況

RPAという用語は2010年代中頃から有名になりました。

そして、今や、「日本の大企業の5割以上でRPAは導入済である」と言われています。

また、より広い範囲の日本企業を対象にした調査でも、「30%以上の企業がRPAを導入済である」という結果が出ているものが多く、かなり普及が進みつつある状況にあります。

RPAは「目新しい技術として注目されている時期」から、「普及が進み、各社がより高度な活用を模索している時期」に移行し始めているのです。

※2019年~2020年の複数の調査結果より。RPAの普及率については、こちらの記事で詳しく解説しております:RPAの普及率

ファクトリーオートメーションとRPAの関係

工場において、人が行っていた組み立て作業などを、ロボットが代わりに行うようになった光景をご覧になった経験のある方は多いでしょう。あれが、ファクトリーオートメーション(工場における生産工程の自動化)です。

そして、RPAはパソコン(サーバーを含む)で行う作業の自動化(オートメーション)に関する技術です。

ですから、ファクトリーオートメーションとRPAの関係とは、ファクトリーオートメーションにおける「工場の生産工程の自動化」と同じ事が、RPAでは「パソコンを使った業務の自動化」において実現できる、という関係にあります。

また、そのように考えて頂ければ、RPAのイメージを容易につかんで頂けるでしょうし、RPAの「導入効果の大きさ」についても、想像して頂けるのではないでしょうか。

※RPAを導入するメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しております:RPAのメリット

RDAとRPAの関係

RPAと一緒に語られる事の多い「RDA」についても、説明しておきましょう。

RDAとは、「Robotic Desktop Automation」の略であり、「パソコンのデスクトップ作業の自動化」を表す用語です。

RPAとは視点が違うので一概に比較はできないのですが、RPAによって自動化する業務の中で、「パソコンのデスクトップ作業に関する自動化の部分」だけを強調して「RDA」と呼ぶ事はあります。

広義のRPAと狭義のRPA

会社や人によって、RPAに含めて考える自動化の範囲は異なります。この為、RPAという用語には、「広義のRPA」と「狭義のRPA」が存在していると考える事ができます。

「狭義のRPA」では、昨今、めざましい進化を遂げた自動化技術を用いた自動化のみを対象とします。この場合、「RPA用に特別に開発されたソフトウェア」を活用した自動化のみを、「RPA」と呼びます。

これに対して、「広義のRPA」では、従来から行われている「パソコンを使った業務の自動化」も「RPA」に含めて考えます。

RPAについて資料を読まれたり、打ち合わせをされたりする際には、「RPAが対象とする範囲は一定ではない」という事を覚えておいて頂くと良いでしょう。

※パソコン作業を効率化する為に広く活用されてきたマクロやVBAとRPAとの関係については、こちらの記事で詳しく解説しております:マクロやVBAとRPAの違い

RPAと従来のパソコンの自動化技術との違い

「RPAとは、パソコンを使って行う業務を自動化する為の技術である」という説明を読まれて、「パソコンを使った業務の自動化は、昔から存在する」と思われた方もいらっしゃる事と思います。

実は、その通りであり、これまでも多くの企業は「パソコンを使った業務の自動化」に取り組んできました。ですから、「RPA」という用語を広義に解釈する場合、前述の通り、実は、「従来から存在するパソコン業務の自動化」も「RPA」に含めて考える事もあります。

しかし、多くの場合、「RPA」という用語が用いられるのは、「RPA用として発売されているソフトウェアを用いた自動化」についてのみです。

なぜならば、それら専用ソフトウェアを用いたRPAには、「これまでは自動化するのが難しかった部分も含めて自動化できる」や「自動化のコストが大幅に下がる」などの特徴がある為です。

そして、それらの特徴を活かす事で、パソコンを使った業務であれば、かなりの部分を自動化できるようになり、また、巨額のIT投資ができない企業であっても、パソコン業務の自動化が実現できるようになりました。

そのインパクトは大きく、それが「従来のパソコンの自動化技術」と「RPA」を分けて考える理由となっています。

RPAが重要である理由

もし、貴方が企業の経営に携わる立場にある方なのであれば、「RPAは、昨今の経営にとって、もっとも重要なトピックスの一つである」と理解するようにして下さい。

この記事の前半において、「RPAを導入すると、工場でロボットが生産工程を自動化したのと同じ事が、パソコンを使った業務においても実現できる」という解説をしました。

RPAの重要性についてピンと来ていない方は、ここで、「ロボットが導入されて生産工程が自動化された工場」と「ロボットが導入されておらず、人の手によって全ての生産が行われている工場」の2つの生産工程を思い浮かべて頂きたいのです。

両者の生産性が大きく異なる事はすぐに理解して頂けるのではないでしょうか。そして、その2つの工場が同じものを生産していたとすれば、どちらが生き残れる工場であるかは容易に理解して頂ける事と思います。

これと同じ事が、オフィス業務においても現実となるのです。この為、導入が進んだ企業と導入が進んでいない企業では、オフィス業務の生産性に大きな差が生まれる事になります。そして、勿論、それは企業の競争力の差に繋がります。

ですから、RPAは現代の企業経営において、極めて重要な意味を持つのです。

RPA導入についての取り組みが遅れている企業の経営者が、この記事を読まれている場合には、これを機に積極的に取り組まれる事を強くお勧めします。

最終更新日:2022年7月7日

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