RPAの導入事例
RPAによるメール送信業務の自動化の事例
RPAによって自動化されたメール送信業務の事例
RPAを導入する前のメール送信業務
ある会社の管理部では、社内外の関係者に対して、日々、様々な連絡をメールで行っていました。
特に手間がかかっていたのが、経営情報に関する報告メールでした。相手によって伝えるべき内容が異なる為、社内システムから取得した情報を加工してメールを作成し、個別に送信しなければならなかったのです。
送信する情報は、社内システムから入手出来るものばかりでした。しかし、この会社では、「相手によって、伝える情報を細かく変更したい」「年配者にシステム利用を強要できない」などの事情があり、メールでの連絡が続いていました。
RPAによる自動化(導入後)
しかし、この大変な業務は、RPA導入によるメール送信業務の自動化によって、一掃される事になりました。
RPAが自動で社内システムから情報を取得し、送信先に合わせて加工した内容でメールを送信する仕組みが構築されたのです。なお、メールは、始業前に自動で送信されるようになった為、受信者にとっての利便性も向上しました。
なお、この報告メールの自動化を完了した後、この会社は、社員への催促メールの送信自動化にも取り組みました。経理や人事の提出物を期限までに提出していない社員に送る催促メールについても、自動で送信されるようにしたのです。
これらのメール送信業務の自動化によって、管理部の業務量は大幅に減少しました。残業は減り、より重要な業務に時間が使えるようになった為、社員の満足度も向上しました。
メールを送信する業務へのRPA導入について
自動化の背景にあるメール送信業務
「メール送信」という処理をシステムで行う事は難しくありません。
「決まった内容のメールを一斉送信する」や「ウェブサイトで入力された内容をメールで送信する」といった処理は、多くのシステムで実装されています。
しかし、「複雑な業務と連携してメールを送信する業務」を自動化する事は、これまで難易度が高いと考えられてきました。
しかし、RPAを活用すると、「様々な業務の処理結果を受けて、メールの送信相手や送信内容を変化させる」といった事も比較的容易に実現可能です。
送信メールの自動化の為にRPAが持つ機能
メール送信に関する業務の自動化の為にRPAが持つ機能は、特別なものではありません。
RPAが持つ機能は、「用意された送信用のメールサーバーを使って、指定された相手(メールアドレス)に、指定された内容のメールを送信する」というものだけです。
RPAによるメール送信業務の自動化は、他の自動化処理と連携させる事によって価値を発揮します。
例えば、エクセル形式のデータ処理の自動化と組み合わせる事で、以下のような自動化が可能なのです。
- エクセルで管理されたメール送信先のリストを使って、ある条件を満たしている相手にのみメールを送信する。
- エクセルで管理された指示(権限など)に基づき、相手によってメールで送る内容を変化させる。
また、様々な業務を自動化し、その結果をメールで送信するようにする事で、業務の大幅な効率化が可能となります。
RPAによるメール送信に関する業務の自動化の注意点
メール送信に関する業務を負担に感じている社員は多く、メール送信業務を自動化した際には、「自動化によって削減できた業務量以上に、業務負担が減ったと感じる」といった社内の声が寄せられるケースは多いようです。
ただし、「メール送信業務の自動化」によって成果を出す事は、決して易しいものではありません。それは、技術的な難易度ではなく、「業務の見直し」に関する難易度が高い為です。
「メール送信」という業務の多くは、様々な業務の結果を通知・報告する為に行われます。この為、メール送信に関する業務の自動化を成功させる為には、関連する業務の修正(見直し)とセットで行う必要があるのです。
これまで人が判断してきた「メール送信のタイミング(いつ・どのような時に送るのか)」や「どのような内容のメールを送るべきなのか」といった検討を、いきなりコンピュータに丸投げする事は出来ません。
自動化の為には、様々な準備(関連する業務の調整)が必要です。しかし、そのような点についての理解が不足していると、必要となる準備作業の「量」や「難易度」を甘く考えてしまいがちです。そして、その結果、業務の自動化に失敗してしまう事が多いのです。
当センターでRPA導入を支援させて頂く場合には、早い段階で業務改善の専門家が「業務の分析」を行います。これによって、「業務の見直しが不十分な為に、自動化が失敗してしまう」という事態を防ぐようにしています。
RPA導入の前提となる「業務の見直し」をしっかりと行う事さえ出来れば、メール送信に関する業務の自動化を成功させ、大きな改善効果を手に入れる事は不可能ではありません。